バランスを崩す

今年は梅雨が長かった。

梅雨とはご存知のとおり、季節の変わり目であって、揚子江気団、オホーツク海気団、小笠原木気団、熱帯モンスーン気団の4つが接近して、その性質の異なる気団の境目に雲が発生し、雨が降るという仕組みです。

今年はオホーツク海気団からの湿った冷たい風が関東に流れ込む日が多く、曇って涼し日が
続いた。

これほどの長雨の記憶があまりない。
日常の生活から色が消え、湿った灰色の空気に世界は覆われた。

世界は光を求めている。
色褪せた世界は、もうたくさん。

僕は気象を趣味で勉強していた。
結局受けていないが、気象予報士の資格も取ろうとしていたほど。

それはなぜか?

僕は癖毛。
癖毛は雨が降ると、クネる。跳ね上がる。
直毛の人にはわからないだろうが、年頃の青年にとって髪の毛がクネるというのは非常に悩ましいのだ。
ドライヤーで髪を乾かしてセットすれば程よく整うがそれは晴れの日のみ、雨の日は最悪である。
気分もブルー、雨模様。

それで僕は天気予報を日々気にするようになった。

髪型をキメていたい日が雨でない事を祈りつつ。
もし、その日の予報が雨となっていた場合、僕は雨が降らないことを祈るとともに、別の可能性を探るようになった。

新聞などには天気図も書かれている。
それを手掛かりに、自分なりの予想をするようになった。
自分の予想が当たったとしても、結果的に曇りの湿気で髪はヘナヘナとクネるのだが。

ところがここ最近、不思議なことに曲者の髪はそこまでクネらなくなった。
単に髪が細くなっただけなのかもしれないが、この陰鬱な梅雨であっても、髪の円周率にさほど気を留めることもなくなった。

或いは、キメるという意識が薄れてきただけなのかもしれないが、それは単に無精になっただけなのかもしれない。

ともあれ、そのようなことがあってから、天気は僕にとって身近なものとなった。

天気といえば、タイムリーだけど新海誠監督の『天気の子』が公開。
まだ観ていないけどねぇ、題名を知ってからこれは観に行きたい映画と思ってる。
どんな物語となっているのか楽しみ。
無精になり始めた僕の感情へのスパイスとなるか?

さて、話を梅雨に戻すと、梅雨とはそれぞれ性質の異なる気団のバランスが均衡している状態ともいえますね。

北と南の空気がお互い同じ位の勢力のため、連日同じような天気が続くというわけ。
で、この均衡を崩す要因となるのが何かというと、台風です。

南から来るエネルギーの塊が北上して行くことで南北のエネルギーバランスが崩れ、もしかすると月曜以降一気に梅雨は明けるのではないかと思うところです。

バランスが常に正しいという訳ではありません。
どっちかに突き抜けるエネルギーがあってこそ、世界は開ける。

そういえばプラクリティによってこの世界が発生したそうな。
物理的にもこの世界は物質と反物質のバランスの崩壊によって、生じているというわけだし。
たしか物質の反物質として空間ができたというし。

そもそも、バランスは崩れるからこそ存在する。
バランスが崩れなければ、この世界は存在することの無い灰色の世界。

崩れてこそ色彩のある世界が復活する。
梅雨明けも近いか。

マサ