変人になろう


フォッサマグナという言葉を聞いたことがあるだろうか?
先日、新潟県の糸魚川市へ出かけた。
もちろん、フォッサマグナに行くためだ。
フォッサマグナとはナウマン博士が発見した日本を東西に割く巨大な割れ目のことだ。

日本列島は弓なりの形をしているが、このしなり具合をよく観察すると日本の「ヘソ」をフォッサマグナが担っていることが判る。
しかし実際に現在の日本でその巨大な割れ目を目にすることはできない。
数百万年前まで浅い海だったその割れ目はやがて深海となり、逆に今では焼山、妙高山、草津白根山、浅間山、八ヶ岳、富士山、箱根山、と火山が列をなしている。
嬉しい事にそこは温泉のスポットでもある。

人間で 例えると、昔は腹筋で腹が割れていたが堆積物(脂肪)の蓄積によってその雄姿も見る影が無い、といったところか。

このとおり、動きようのない大陸や海がまるで生き物のように姿かたちを変えていく。
今この瞬間も、ゆっくりと確実にその姿は変わっているのだ。

「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし」
方丈記の出だしだ。無常観を見事に表現している。
川が陸に変わっただけで、山は動くし地球は回る。

ところで、この方丈記には京都で発生した巨大地震についての記述がある。
「山は崩れて河を埋み、海は傾きて陸地を ひたせり。土さけて水わきいで、巌われて谷にまろびいる。」
天変地異である。
日本という土地に住む以上、過去も現在も未来も、大地のダイナミックな動きからは逃れられない。

災害は人間にとってみれば禍であるが、地球にとってみれば新陳代謝である。

ヨガ的な話をすると、ナウリというのがある。
片岡鶴太郎で有名になったアレだ。
お腹をへっこませて内蔵をマッサージする呼吸法。

ナウリは腹部の撹拌を意味する浄化法で、腸への刺激を与えて代謝を促す。
朝起きてからヨガをする前にナウリを含めた一連の呼吸法を実践すると、アーサナの質も良くなるのでお勧めする。
ナウリは腸に住む細菌叢、いわゆる腸内フローラにとっては「天変地異」のごと く作用するのかもしれない。
そのためか腸内の住人には申し訳ないが、快腸だ。

方丈記に話を戻す。
「すべて世の中のありにくく」では、鴨長明が生きにくい世の中の様子をつづっている。
・権力者や金持ちの隣に住む貧乏人の媚や羨望。
・下町に住む者が感じる火災への不安。
・郊外に住む者の通勤の煩わしさ。
・財が多い者の恐れ、貧しい者の嘆き。
どの時代も人は変わらない。千年経っても同じ悩み苦しみを感じている。
・世間の習慣に従うと、我が身が苦しくなる。
・従わないと、気が狂っているのと似たようなものである。

そう、人として生きる以上、人は変わらないものなのだ・・・・・と思い込んでいる。
鴨長明はその時点では常識を超えられなかった。
それを証拠に
「いづれの所を占めて、いかなるわざをしてか、しばしもこの身を宿し、たまゆらも心を休むべき」
とつづり、どのように行動したら心を安らかにさせることができるかと悩んでいる。
人は変わらないという「常識」が、人を苦しめる。

だから、ただ狂えばよい。
そうそれば山奥の庵に籠らずとも、社会の中で楽に生きられるだろう。

陸ですら姿を変えるのに、このちっぽけな人間が変わらず何が変わるというか。

変人になろう



マサ